職場にはKY活動(危険予知活動)がある。
作業前に「どんな危険が潜んでいるか」を洗い出し、対策を考えて、行動目標を立てる。安全管理の基本であり、ちゃんと頭を使うべき大切な時間だ。特に、高所作業や密閉空間への立ち入りなど、一歩間違えば取り返しのつかない作業のKYは、真剣に向き合う必要がある。
ただ、毎週ルーティンでやる交通KYの話をすると、少し事情が変わってくる。
交通KYは週次で提出が求められることが多い。「今週の運転で想定される危険と対策を書いてください」というやつだ。
これが積み重なると、「先週も似たようなこと書いたな」「また追い越し車線か」という感覚になってくる。内容が形骸化するというか、手が覚えてしまって脳みそが動いていない状態になりやすい。
かといって白紙から毎回ゼロで考えるのも、時間と気力がいる。もっとうまい方法はないかと思っていた。
試しに、お題だけ送ってみた。
KYのお題:夜間運転
【危険要因】①視界不良による歩行者・自転車の見落とし ②対向車のヘッドライトによる幻惑 ③疲労による判断力の低下 ④路面状況の確認が遅れる ⑤信号や標識の見落とし……(以下、10項目)
【対策】①早めのライト点灯と適切な光軸調整 ②速度を落とし十分な車間距離を確保 ③出発前の休息・体調確認 ④路肩への注意と段差の確認……(以下、10項目)
【スローガン候補】「夜道は慎重に、目を凝らして、一歩先を読む」……(以下、5案)
30秒も経たないうちに、危険要因10個・対策10個・スローガン5個が出てきた。
最初の一回だけ、出力の形式とルールをClaudeに伝えた。
これを一度伝えてしまえば、あとは「KYのお題:〇〇」と送るだけでいい。タンクローリー、雨天走行、高速道路、早朝の霧、どんなお題でも同じ形式で返ってくる。
大事なのは、AIの出力をそのまま提出しないことだ。
Claudeが出してくる内容は汎用的で、どの現場にも当てはまりそうなものが並ぶ。でも実際の現場には、特有の道路事情や、過去にヒヤリとした場所や、季節ごとの条件がある。そこは自分で手を加える。
「ゼロから考える手間」を省いて、「自分の現場に合わせる作業」に集中する。その切り分けをClaudeがやってくれている感覚だ。
定型業務の時間を減らして、本当に危険な作業のKYに頭を使う。自分にはこういう使い方が合っていると思っている。