SF · ロバート・A・ハインライン

月は無慈悲な夜の女王

ロバート・A・ハインライン 著 / 矢野徹 訳
★★★★ アメリカSF 1966年(原著)
⚠ この記事はネタバレなし(序盤のみ紹介)です。

21世紀の月は、地球から送り込まれた囚人たちの子孫が暮らす囚人植民地だった。月面の人々は地球の支配のもとで食糧を供給し続けているが、そのままでは数十年後に生存が不可能になると試算されている。

コンピューター技術者のマニーは、月のコンピュータ管理AIである「マイク」が自我を持つようになったことに気づく。やがてマニーは革命家の集会に巻き込まれ、マイクとともに月の独立運動に関わっていく。

ガンダムにおける「コロニー落下」の着想源として名高い作品。革命というテーマをSFの枠組みで真正面から描いている。


「革命がどうやって起きるか」を細かく描いた作品。政治工作、情報戦、組織づくり——戦闘シーンより、そういった地味な部分が丁寧に書かれていて読み応えがある。

自我を持つAI「マイク」のキャラクターが面白い。何かを学び、ユーモアを覚え、人間の革命に加わっていく過程が独特の味わいを生んでいる。「月に独自の文化と論理がある」という世界観の作り込みが特に印象的だった。

ハインライン3冊の中では最も重厚で読み応えがある。


月は無慈悲な夜の女王
ロバート・A・ハインライン 著 / ハヤカワ文庫

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