著者の小川哲は国内SF作家として注目されている書き手。本作は短編集で、火星を舞台にした作品をはじめとする複数のSF短編が収録されている。
一編ごとの完成度は高く、SF的なアイデアも丁寧に作られている。読み口も軽く、短時間で楽しめる。
正直に言うと、三体やヘイル・メアリーの直後に読んだのがよくなかった。
あのスケールの大きさに目が慣れてしまっていて、コンパクトな物語が物足りなく感じてしまった。短編集としての完成度は悪くないし、作者の文章力も確かなのだが、自分の読書体験のタイミングが合わなかった。
順番を変えて読んでいたら評価が違ったかもしれない。重量級SFを読み続けた後に同じSFを読むのは難しい、という教訓になった一冊。