推しの配信を見ていると、「これ切り抜きにしたい」と思う瞬間がある。笑える場面、感動する場面、独特すぎるリアクション。見るたびに「誰かがショート動画にしてくれないかな」と思いながらそのまま流してきた。
ある日、「Claudeに聞いたらできるかもしれない」と思い立った。こうして初めてYouTubeショートを投稿するまでの話が始まった。
問題はすぐに現れた。欲しい場面は20秒ほどなのに、配信アーカイブが約12時間分ある。全部ダウンロードすると7GB近くになる。それを毎回やるのは現実的じゃない。
Claudeに相談すると、「必要な部分のバイト範囲だけを指定して取得できる」と教えてもらった。動画ファイルは先頭から順番に並んでいるので、「何秒目から何秒目」がファイルのどの位置にあたるかを計算して、そこだけをダウンロードする方法だ。
7GBを丸ごと落とさずに済んだ。取得できたのは約5MB。目的の20秒を含む前後の余白も合わせて取り出して、次のトリミング作業に備えた。
YouTubeショートは縦動画(9:16)でないといけない。取り出した素材は横動画(16:9)なので、そのままでは使えない。
縦に切り出すときの問題は「どこを中心にするか」だ。画面の端を切ると肝心のVTuberが画面の外に出てしまう。Claudeに頼んで、クロップ位置を調整しながらプレビュー画像を出力してもらい、VTuberが中央に収まる座標を確認しながら決めていった。
何度か試行錯誤したが、プレビューで確認できるので迷いにくい。「もう少し右」「もう少し上」とやり取りしながら位置を詰めた。
ショート動画は音声なしで見られることも多い。テロップがないと何が起きているのか伝わらない。
まず上部に常設テロップを追加した。白文字に極太の黒縁をつけて、どんな背景でも読めるようにした。これはコンテキスト説明用で、どのシーンでも固定で表示される。
次に字幕。発話タイミングを手動で書くのは大変なので、Whisper(音声をテキストに変換するAI)を使って自動検出してもらった。「何秒から何秒の間にどの言葉が話されているか」を解析して、そのタイミングで字幕が表示されるよう設定した。
完璧ではないが、手動でゼロから入力するより圧倒的に速い。細かいズレはあとで微調整した。
動画を作る前から気になっていたのが著作権の問題だ。推しVTuberが所属する企業によっては、切り抜き動画に関する独自のルールがある。
Claudeに「公式ガイドラインをWeb上で確認してほしい」と依頼して、所属企業の公式サイトを調べてもらった。確認できた条件は、収益化しないこと・非公式であることを明記すること、の2点だった。
説明文に元配信へのリンク・配信者チャンネルへのリンク・非公式の旨を書き込んだ。ルールの範囲内でやると決めてから投稿作業に入った。
実はYouTubeに動画をアップロードするのは生まれて初めてだった。見る専一筋で、投稿側に回るとは思っていなかった。
最初は限定公開でアップロードして、スマホで再生確認した。縦動画として正しく表示されているか、字幕のタイミングがズレていないか、テロップが見切れていないか——一通り確認してから一般公開に切り替えた。
タイトル・説明文・ハッシュタグもClaudeと相談しながら作った。ショート動画向けのタグの付け方や、説明文に必要な要素(元配信リンク・非公式明記)もその場で確認できたので助かった。
動画編集というと「専用ソフトを覚えなければいけない」「センスが必要」というイメージがあった。でも今回やってみると、ゴールを決めてClaudeに工程を一つずつ聞いていくことで、初心者でも完成まで持っていけた。
特に助かったのはバイト範囲ダウンロードだ。「7GBを毎回落とすのは無理」と諦めかけていたところを、別のアプローチで解決してもらえた。自分だけで調べていたら気づかなかったと思う。
字幕の修正作業もあった。別の動画で以前作っていた笑い声まとめ動画の字幕タイミングがずれていたので、音声区間を実測して修正する作業もついでにやった。こういう「前に作ったものの手直し」もClaude頼みでなんとかなる。
投稿した動画が再生されるかどうかはまた別の話だが、「作って公開する」というところまで到達できたのはよかった。次は別の場面でも試してみたい。