SF · アンディ・ウィアー

アルテミス

アンディ・ウィアー 著 / 小野田和子 訳
★★★★ アメリカSF 2018年(日本語版)
⚠ この記事はネタバレなし(序盤のみ紹介)です。

舞台は人類初の月面都市「アルテミス」。溶岩洞窟を利用して建設されたこの都市には、富裕層の観光客から出稼ぎ労働者まで、様々な人間が暮らしている。

主人公のジャズ・バシャラはサウジアラビア出身の若い女性で、宇宙飛行士の父のもとで育ちアルテミスに移り住んだ。現在は配達員として働きながら、巨額の借金をなんとか返そうともがいている。

ある日、ジャズは大金を得られるとある依頼を引き受けてしまう。それが思わぬ大事件へとつながっていく——。


同じ著者の『プロジェクト・ヘイル・メアリー』とは雰囲気がかなり違う。あちらが孤独な戦いと感動の物語なら、こちらはスリリングな犯罪エンタメという感じ。テンポよく、サクサク読める。

月面都市の設定の細かさはさすがアンディ・ウィアーで、酸素管理、重力、施設の構造など、生活の細部がリアルに描かれている。「月ってこんな感じなのかも」という没入感を味わえる。

主人公ジャズのキャラクターがとにかく面白い。口が悪くて自業自得な部分もあるのに、なぜか応援したくなる。読み終わって損はない作品。


アルテミス(上・下)
アンディ・ウィアー 著 / 早川書房

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